二時間六分二〇秒


くもり、のち晴れ。
朝六時に大会ホームページをチェックする。今日の開催が決まったという。なにしろ前日まで除雪していたのだ。それもあって、ちょっとコースを縮めてぴったりの二〇キロで開催するという。スタート時間を一時間繰り下げるのは昨日のうちに決まっていた。
女房をクルマに乗っけて、関越自動車道を東松山インターまで飛ばし、ちょっとした渋滞を経て国営武蔵丘陵森林公園に着いたのは一〇時半をすぎていた。その頃には老若男女五千人のランナーと応援の人たちでごったがえしており、僕たちも雪景色のなかを受付へ向かい、なんとか十一時までにエントリーを終えた。
今年で三九回目を迎えるマラソン大会は、広大な園内の一部を二周する。きつい上りと下りがひっきりなしに続くトレイル・コースで、雪に覆われていたり、ぬかるんだ泥道が続いたりで平坦なところはほとんどないのだ。五〇歳以上か以下かで男子はスタート時間が異なり、女子は五〇歳以上の男子といっしょに走る。おかしな区分けだけれど、若い女の子といっしょに走れるのだから、文句を言う筋合いでもない。
シューズもタイツも泥だらけになって走った。雪の残るコースはとてもきつい上りで思わず歩きそうになる。いったん歩き始めたら、汗がひいて寒いだろうと思う。僕はとりあえず歩幅を短くしてすべての上りを走った。
もちろん二時間は切れなかったけれど、六分くらいのオーバーですんだのは上出来だ。日々のプラクティスは正直だとあらためて思う。
園内のレストランでランチを食べていた女房と公園をあとにして温泉へ向かい、かじかんだ躰を溶かして人心地つく。
いやはや、もうちょっとでふくらはぎの痙攣がはじまるところだった。今もピクピクしている。それに、腹が冷えて下痢になるところだった(かろうじてもちこたえた)。真冬のマラソンにエントリーしたのは、東京マラソンを走る日がいつか来ると思ってのことだけれど、ほんとに来るんだろうか……。