雑味はまずいから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。10度。

7時に起きる。

朝餉は、佃煮、納豆、ほうれん草のお浸し、揚げ出し豆腐、味噌汁(ジャガイモ・大根・玉葱・人参・ネギ・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯。食後にチャイティー。

NHKの将棋と囲碁トーナメント。準決勝の4者が揃う。渋い顔ぶれ。

灰汁をとりましょう。ていねいに――言われるまま、こまめにやっていたけれど、ある日お玉の灰汁を飲んでからというもの、言われるままはやめた。

台所仕事に限ったことではない。人生がそんなことばかりだったというのは、誇張ではない。やめとけ、とよく言われた。ろくなことはないから、と。

そのとおりだったこともあったけれど、そうではなかったことについては、逆にとても助けられた。その後の人生が大きく変わるようなことがあった。

だからといって、言われるまま灰汁を取り続けていたら、と考えることはない。たまたまということでしかないのだ。

ただ、これだけは言える。

真実は、その人に固有のことだ。

昼餉は、ハムと玉葱のチーズトースト、ホットミルク。

固有のことだけれど、それが固有なのだとわかるときがある。

口をつけてわかる。灰汁の味がする。ああ、この人もそのままなんだな、と思う。やってみた人は、やっている人のことがわかる。

そういう符牒は、集まっていくとやがて灰汁は別に取らなくてもいい、ということになるのだろうか。

僕は、決してそうはならないと思う。

うまく説明はできないけれど、そういうことは変わらない気がする。

変えてしまった人たちは、ひっそりと変え続けていく。

ただ、そういうことなのだと思う。

夕餉は、鶏ひき肉団子・白菜・焼き豆腐・ネギ・糸こんにゃく・人参の豆乳鍋、雑炊、赤ワイン。