裏地の赤

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れ、のち曇り。13度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、キャベツ・ツナ・ひよこ豆のサラダ、卵焼きとハム、味噌汁(玉葱・大根・人参・キャベツ・油揚げ)、リンゴジャムのトースト、ルイボスティー。食後にコーヒー。

向田邦子脚本のドラマ『阿修羅のごとく』のパート2に出てくる佐分利信の存在感にやられる。

43年前から折に触れて観てきた。妻が録画しておいたのは少し前に再放映されたもの。昭和という時代の人模様、向田邦子の眼差しのすごさ。会話劇に引っ張り込まれていく。とりとめのない普段着が、真実という鮮やかな裏地をつけている。

監督の和田勉は、俳優の視線の先を描くのがうまい。どこか先を見る瞳をアップで撮っている。その無言のシーンがどれも残像として立っている。

今の脚本家が乗り越えようとして果たせない台本。セリフだらけなのに空隙という残像で忘れえぬところを物語らせる。この国のテレビドラマの白眉である。

向田さんは傑作をものにすることと引き換えに、自らの命を差し出したのかもしれない。失礼な想像である。

だが運命は、そんな交換条件を当人にはそれと示さずひそかに提示することがある。向田さんは、その提示に従ったという自覚があったろうか。これもまた失礼な物言いではあるが、そういう交換条件を提示される才能を持った人がこの世にはいる。

妻の作った夕餉は、クリームシチュー、玄米ご飯、赤ワイン。食後に焙じ茶、かりんとう。

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