びわこ布巾

 

 

 

 

 

 

 

曇り、日差しあり。11度。

6時に起きる。

サッカーW杯で日本代表が敗れる。またもベスト8に届かず。試合後、森保監督が観客席に向かって深いお辞儀をしたと海外のメディアが伝えている。

妻が東海道線経由の高速バスで横浜へ。クワイアの稽古やら。それから自宅に帰る。戻りは来週以降に。

朝餉は、ハムと目玉焼き、ポークカレーの残り。食後にコーヒー、饅頭。

長浜の文具店へ。めあての陶器は売れていた。来年3月まで店は冬眠に入る。びわこ布巾を買って帰る。琵琶湖が赤潮に悩まされていた20年以上前のこと、家庭洗剤の使用を抑えるために作られた布巾だ。湯洗いだけで食器洗いができる。肌荒れがない。昨日の黒壁スクエアのそばの店にも置いてあったけれど、文具店はずっと以前から扱っている。

1875年にこの国で生まれたがら紡績は落綿を使って柔らかい糸を紡いできた。びわこ布巾は原綿をがら紡績にかけて吸水と吸油力が増している。洗剤に頼らなくてもさっぱりと汚れが落ちる。

店主の女性は元気そうで、引っ越し前よりかがみ込んだように小さくなった店は逆に品揃えが倍くらい増えて見える。

 子どもさんは元気ですか?

 ええ、それはそれは。

店主は母親の顔にもどって微笑んだ。

昼餉は、塩煎りのそら豆と花林糖、コーヒー。

ひとりになると料理がおっくうになる。作りおきをこしらえるいい機会なのに。妻のためもあるけれど、己れが愉しまなければ料理が旨くならない。そんなことを思いながら、でもついつい手を抜いてしまう。

映画は小泉堯史監督『蜩の記』(原作は葉室麟)。主演の役所広司は、所作と言葉の抑揚がいい。正座から立ち上がる瞬間の振る舞い。駆け足の馬を並足に戻し、止まって鼻先を半周させるときの脚のこなし。息を呑む。端座の重心のかけようをつい岡田准一と比べてしまう。岡田准一は言葉の抑揚にぎこちなさが拭えない。年相応とかではないところの作為。

偉そうに書くけれど、正座も満足にできない己れに恥じいる。

夕餉は、ハム、ポークカレーの残り、赤ワイン。食後に花林糖、クラッカー。