なにせ凡眼なもので……

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。17度。

7時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、ウィンナーソーセージと目玉焼き、味噌汁(カボチャ・白菜・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、ブルーベリージャムのトースト、フルーツルイボスティー。食後にコーヒー。

注文しておいた常滑焼のコーヒーカップが届く。200ccの小ぶりで灰黒の素焼き。

 

道元さんの『典座教訓』より――

 

 凡そ物色を調辦するに、凡眼を以て観ること莫れ、凡情を以て念うこと莫れ。一茎草を拈じて宝王刹を立て、一微塵に入って大宝輪を転ぜよ。所謂縦い莆菜羹を作るの時も、嫌厭軽忽の心を生ずべからず。縦い頭乳羹を作るの時も、喜躍歓悦の心を生ずべからず。既に耽着無し、何ぞ悪意有らん。然れば即ち麤に向かうと雖も全く怠慢無く、細に逢うと雖も弥精進有るべし。切に物を逐うて心を変ずること莫れ。物を逐うて心を変じ、人に順って詞を改むるは、是れ道人に非ざるなり。

 

凡人は、こんな心境ではとてもじゃないが台所に立てない。いい食材があれば嬉しい。冷蔵庫に何もないと、扉を開けて見るまえから諦めている。恥いるべきは己れの腕の無さと、柔らかい頭の無さかもしれないが、いやいや、道元さんだって凡百の徒ではないかと。

昼餉は、ソーセージ・ピーマン・チェダーチーズのトースト、コーヒー。

凡眼、凡情あっての禅ではありませんかね。禅の境地は、その対極あったればこそ。悶え苦しむような己れがなければ、そもそも禅など求めない。ぜんぶが反語で成り立っている、浮き彫りになるには凸と凹が必要です。

物事を識るのは、そこに陰影があるから。

凡眼、凡情あってのこと。

と、ひとまず逃げたりして……。

夕餉は、大根・カボチャ・ごぼう天・ウィンナーの煮物、味噌汁(カボチャ・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック、ザクロ酢ジュース。