ココロザシではないこと

 

 

 

 

 

 

 

雨。27度。

7時に起きる。

妻の作った朝餉は、キャベツ・トマト・キュウリのサラダ、味噌汁(玉葱・人参・油揚げ・小松菜)、卵サンドイッチ。

Patagoniaの創業者、イヴォン・シュイナード氏が、彼と家族の保有しているすべての株式を環境保護を目的とするNPO法人などに全額寄付した。金額はおよそ4200億円という。彼は声明のなかで「地球が私たちの唯一の株主になった」と述べている。

彼の決断を見倣う世界の大金持ちが増えてくれればと思う。それでも、NPOくらいしかその金の受け皿がないというのは、ある種の悲劇かもしれない。使い途の選択肢が意外に狭い。そのことが彼を悩ませたのではなかろうか。

写真の彼は見ようによっては苦痛に耐えている老人だし、彼の部屋はどこにでもありそうな老人のそれだ。雑然としていて、金をかけた痕跡がどこにもない。ただの老人とその部屋。イヴォン・シュイナードを取り巻く地球の姿と、そこで暮らす彼のすべてがそのまま写っている。

もとから思ってきたけれど、普段着を買い替えるときはPatagoniaしか買わないことにする。Patagoniaの掲げているミッションに彼らが真摯に取り組んでいることの一助になればと思う。

 

米ペンギン・ランダムハウスからの新刊予約メールによれば、コーマック・マッカーシーの著作『The Passenger』がKnopf社から10月25日に発売される。御年89歳にして大部の新刊である。上下2巻の1巻目はハードカバーで400頁。

夕餉は、サツマイモの甘煮、ナス・厚揚げ・ピーマンの味噌焼き、焼き塩サバ、味噌汁(ネギ・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。

Patagoniaのミッションは「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」だ。商品を作る目的が地球を救うためだという時点で矛盾を抱えている。罪滅ぼしというわけではないが、たとえば着古した同社の服を送ると繕って送り返してくれる。着なくなった同社の服を送れば、再生利用してTシャツにして販売する。目新しいことではないが、それでもやらないよりよほどマシである。

ちなみに今回のリリースの最初のパラグラフにイヴォン・シュイナードはこう書いている。

 

「私はビジネスマンになりたいと思ったことはありません。クライミング用具を友人や自分用に作る職人から始めて、後にアパレルの世界に入りました。世界中で温暖化や環境破壊が広がり、自分たちのビジネスが及ぼす影響を目の当たりにするようになったことで、パタゴニアは自分たちの会社を活用して、これまでのビジネスのやり方を変えることに取り組んできました。正しい行いをしながら生活に十分な資金が稼げるならば、顧客や他のビジネスにも影響を与えられるし、そうしている間にこの仕組みも変えられるだろう、と。」