三つの条件

 

 

 

 

 

 

 

晴れ。29度。

朝餉は、リンゴジャムとヨーグルトをかけたバナナ、トマトとチーズのカプレーゼ、スクランブルエッグ、味噌汁(カボチャ・小松菜・キャベツ・油揚げ・豆腐)、トースト、豆乳。食後にコーヒー。

 

リシャルト・カプシチンスキ『黒檀』より抜粋――

 

 アフリカ人(この呼び方に行きすぎた簡略化があるのは承知している)の精神世界は、豊穣かつ複雑である。しかも、その内面生活は、深い宗教性に貫かれている。アフリカ人は、相異なりながら、同時に互いに結びつく三つの世界の存在を信じている。

 その第一には、彼らを取り巻く、従って、手に触れ目に映る現実が挙げられる。生きている人間も、動植物も、そのうえ、命のない岩石、水、空気までもが加わって形づくる現実だ。第二が祖先の世界。われわれ以前に亡くなった死者たち、死者とはいえ、完全にも、最終的にも、徹底的にも、死んではいない人々の世界である。彼ら故人は、形而上的に、いまもなお存在し、われわれの現実生活に参与し、それに影響を与え、それを形成することさえ可能である。だから、祖先との間に良好な関係を維持するのが、順調な暮らしのための、時には、生きていくこと自体のための条件となる。最後に、第三の世界は、精霊たちの極めて豊かな王国だ。精霊たちは、独立に存在しており、存在するものすべて、それぞれの事物一切のなかに、いずれ場所を問わず生きている。

 これら三つの世界の最高位に立つのが、〈至高なる本質〉〈最高の存在〉〈神〉だ。

 

アフリカ人の精神世界、とカプシチンスキは断っている。だが、日本人もこの言説にぴったり当てはまる。日本人というのも簡略化した呼称かもしれないし、そうとなれば、フランス人だろうがアルメニア人だろうがすべてのヒトは同じだとすぐ気づく。イギリスの人類学者、エドワード・バーネット・タイラーが生み出したアミニズムは、ヒト全般が持ち合わせていた恐怖に直結する本能に準じている。なぜ恐怖なのか。恐怖は、生存に直結する安全装置の動力源だからだ。

神は、その動力に直結している。ヒトが創り出した最高のモノではある。

ジョギング、9.12キロメートル。

彼岸花が咲いている。

夕餉は、冷奴、カボチャ・トマト・ナスの南蛮漬け、ホッケの開き焼き、味噌汁(小松菜・玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック。