それらに埋もれて……

 

 

 

 

 

曇り、ときどき日差し。25度。

7時に起きる。

妻の作った朝餉は、ヨーグルトと蜂蜜をかけたメロンとバナナ、キャベツ・キュウリ・トマトのサラダ、味噌汁(玉葱・人参・油揚げ・豆腐)、バゲットのチーズトースト、豆乳。食後にコーヒー。

妻から誕生日のプレゼントにパジャマと花束を。

MLBの大谷選手が6勝目。前日は2つのスリーランを放って8打点を上げた(チームはそれでも負けた)。

レコードのジャケットビニールを外していく。その多くに砂埃が入り込んでいる。ジャケットの中をきれいにするのに何ヶ月かかるだろう……。アメリカプレス版、イタリアプレス版といった入手しにくいレコードが意外に多い。レーザーディスク版の映画も出てきた。

レコードプレーヤーやフォノイコライザー、カートリッジを用意するまでに費やすさまざまなことを考える。そうやって得られる音のことや、それがもたらす時間のこと。スクラッチノイズの先から聞こえてくる、ワウフラッターで揺れる音のこと。ビニールを削ることで伝わる振動の連なりのこと。

渋谷のクラシック喫茶で若者たちが大型スピーカーの前に座っている姿をメディアが報じている。その音は、彼らの耳にどのような響きとなって届いているのだろう。

その体験が、新しいなにかを彼らにもたらすといいな、と心から思う。通過してきた儀礼の一部をそうやって垣間見ていると、僕には同調する気がまったくないことに気づく。

多分、その音をもう求めてはいない。

その音を大切する姿勢の尊さは、とても大事だと思うけれど……。

 

少し残して大部分の預金の移し替えが終わる。けっこうな手数料がかかった。金の引っ越しも一段落。

引っ越し元の都市銀行からのメールには「これからの人生をデザインしましょう」と書かれている。そういう言葉をまだ使っている(もう関わりのないことだけれど)。

妻の作った夕餉は、納豆、カニ焼売・そら豆の餡かけプレート、味噌汁(ワカメ・豆腐・油揚げ・玉葱・人参・シメジ)、玄米ご飯、ウィスキー・オンザロック、柘榴酢ジュース。食後にほうじ茶、チョコレートケーキ。

寝る前に、今日の心遣いの礼を妻に伝える。