解体とモデルハウス

 

 

 

 

 

 

晴れ。26度。

8時に起きる。

朝餉は、蜂蜜とヨーグルトをかけたバナナ、ウィンナーソーセージと目玉焼き、味噌汁(ラディッシュ・油揚げ・豆腐・ネギ・玉葱・人参・サツマイモ)、トースト、紅茶。食後にコーヒー、黒糖ドーナッツ。

義母の家の解体が終わった。L字型の土地に砂利を入れて整地が済んだ。水道管や下水管がさまざまに絡んでおり、一筋縄ではいかない地下茎が残ったものの、義姉と妻の間で相続の区割りをするところまできた。

母屋と並んで建っていた崩れかけた廃屋も片付いてみると、あらわれた土地は思ったより広いような、でも家を建てるとなると狭いような、不思議な空間に見える。裏に住むおばちゃんたちの家は南側がパッと開けた。

義姉は時間貸しの駐車場にすることが決まっている。妻は家を建てるか迷い続けている。

思い立って妻と彦根の住宅展示場へ。伊礼智さんが基本設計した家を再び訪れる。いつもの建築士がいて、久しぶりに話す。この家の風情はとても好ましい。威圧することも、何かを声高に誇ることもない。静かな佇まいが天井とか壁、床、建て付けから流れ出ている。僕らはソファに座り、しばらくの間、その空間に身を置く悦びに浸る。僕らのたまにの問いかけに、建築士が答えてくれる。開け放した窓からの小鳥の鳴き声、中庭をひらひら舞うモンキチョウ。

――また来ますね。

そう言ってモデルハウスを辞去したのは、2時間近く経ってからだった。

銀座通りの金物屋に寄って、アカシア材のカッティングボードを求める。硬い木はどちらかというとパンや肉を切るような洋風料理に適している。でも値段が手頃なのだ。イチョウのまな板はその5倍くらいする。

夕食は、小松菜・ズッキーニ・玉葱・人参・さつま揚げの中華炒め、餃子、味噌汁(油揚げ・豆腐・ネギ・サツマイモ・玉葱・人参)、ご飯、ウィスキー・オンザロック。食後にマドレーヌ。