裏書きの絶妙

 

 

 

 

 

 

雨。6度。

8時に起きる。

朝餉は、ブルーベリージャムを塗ったトースト、ホットミルク、ルイボスティ。

左半身の痛みは収まりつつある。毒素は少しずつ足先へ向かっている。不思議な体験だ。

妻からのLINEによれば、あちらはこちらより肌寒く感じられると。

本を求める。J. L. ボルヘス著『詩という仕事について(原題:This Craft of Verse)』(岩波文庫)。

長野県上田市に店を構えるバリューブックスで古書を注文すると、納品書の裏書きに3冊の本の紹介が綴られている。今回のは、スティーブン・ミルハウザーの『夜の声』、ブルーノ・ムナーリの『闇の夜に』、石田五郎の『天文台日記』。冬の夜にふさわしい、吟味された3冊。どれも読みたくなる。この時点で、古書店主は目的を達している。彼は、店の在庫とは関係なく、自らの慧眼で3冊を選んでいるだけなのだ。

おすすめに従って、1冊をまた注文する。

僕たちは、本を愛で、文章に触れる喜びという1点で強く結び合っている。そのことを、彼は教えてくれる。

夕餉は、黒豆煮、牛のサイコロステーキ、味噌汁の残り、ご飯、ルイボスティー。