晴れ、のち雪。4度。風。
8時に起きる。
朝餉は、グリーンレタス・大根・コーン・カニカマのサラダ、ベーコン・目玉焼き、味噌汁(大根・玉ねぎ・人参・白菜・油揚げ・豆腐)、トースト、バナナ・リンゴのヨーグルトがけ。食後にコーヒー。
梅に雪。
昼餉は、ベーコンと白菜のクリームパスタ、コーヒー。
図書館へ。エリザベス・ストラウト著、小川高義訳『バージェス家の出来事(原題:The Burgess Boys)』(早川書房)、デニス・ルヘイン著、加賀山卓朗訳『運命の日 下(原題:The Given Day)』(早川書房)。
買い出し、給油。琵琶湖に波頭。風に乗って湖水が届く。
ストラウトの語り口は、なぜ物静かに届くのだろう。考えるでもなく考えていると、本に手が伸びる。『オリーブ・キタリッジ~』はある種の到達点に違いないのに、それがどんな景色か僕はわかっていない。見ているからこそ、その世界に魅了されている。だが具体的にコレと言えない。もどかしい。
文学の味わいは星の数。ストラウトは、あのシリウスのように冷たく青く光っている。
夕餉は、グリーンレタスを添えたアジフライ、味噌汁(大根・人参・カボチャ・白菜・油揚げ・豆腐)、鯖カレーの残り。食後に、紅茶、チョコケーキ。
『バージェス家の出来事』のプロローグ——
よく母と二人でバージェスという一家の話をした。「あの子たち」と母は言った。私はニューヨークで暮らして、母はメイン州にいたので、たいていは電話で語り合った。だが私がメイン州へ帰って、近くのホテルに宿をとったりすれば、じかに話す機会にもなっていた。母はホテルに慣れた人ではなかったので、緑色の壁にステンシル画でピンクのバラを一列にあしらった部屋へ来て、私を相手に昔話をするということが楽しみになったようだ。シャーリー・フォールズの町を出ていった人、また出ていかなった人について、あれこれの噂をしたのである。「あの子たちのこと、なんだか忘れられなくてさ」母はカーテンを引いて樺の並木をながめては言ったものだ。
この段落には、説明っぽさの皆無な情報が散りばめられている。母娘の距離感とかもしっかり語られている。書名になっている一家のテーマさえ伝わってくるようだ。むずかしいことは何も語られていないのに、不穏な空気がある。「あるところにおじいさんとおばあさんがいました」、その変奏曲にさえ聞こえる。