まことのぜいたく

 

晴れ、のち曇り。8度。

8時に起きる。

朝餉は、キツネそば。

京都を経由して、妻と奈良へ。唐招提寺、薬師寺を歩く。

ふだんの松の内なら、ゆっくり歩くこともできない二寺だろう。居並ぶ国宝を穴のあくまで見た。

薬師寺の日光・月光菩薩、吉祥天女画像を独り占めするような時間が、このご時世だからというのは薬師如来も苦笑したくなるだろう。お札を求めて詣ることから始まった初詣は、薬師寺が起源と言われるらしい。

唐招提寺の金堂に並ぶ人は一人もいない。僕らは、手を合わせてから廬舎那仏、千手観音など内陣の九尊に対峙した。その量感に圧倒される。

時を忘れて、気づけば寒さが足元から這い上がる。

腹が空いている。それさえ忘れていた。

空間と時間が身を包む。贅沢も極まれり。

お守りを手にして、電車に乗ったのは5時を過ぎていた。

7時過ぎに帰宅。

夕餉は、即席の焼きそば、カップ麺、納豆、卵スープ、ご飯。食後にケーキ。

吉祥天女さんの左手に乗る如意宝珠の赤が脳裏に残っている。教科書なんかで見たお姿は、汚れてぼんやりしていた。

麻布が洗われ、吉祥天さんが見目麗しくあられるようになったのはいつだろう。

 

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