曇り。4度。
7時に起きる。
朝餉は、お節、味噌味の雑煮、りんご、バナナジュース。食後にアールグレイ、煎餅。
あとがき——。
最初に読む人もいる。そんなものには目もくれない人もいる。せっかくの読後を汚されたと思うこともあれば、読後のやるせなさを浄化されることもある。
『Pluto』の4巻目は、本編を寄り切った。たった2頁で。漫画には漫画で。ネームは2コマ目に出る。
「作品に華がないのよね」
浦沢さんのことじゃないよな、と思う。続く3コマ目のネームも最強だ。
「この二人がそもそもコンビとしてしんきくさいのよ。」
そこに描かれているのは、浦沢さんとプロデュースの長崎尚志さんとおぼしき二人(やっと生きているように描かれている浦沢さんが秀逸だ)。
昼餉は、お節、カップ麺、ちらし寿司の残り。
3コマ目は一転して自虐になる。
「で、そんなん利用して漫画かいて(営業ものがたり)自分のまんがちょっとでも売ろうってゆう私と八巻組ってのがまたあいたたたで」
コマを追うにしたがって、舌鋒は鋭さを増す。
二度と会うことはないだろうからと、対談後に送るハガキの文面が素晴らしい。
図らずも再会する浦沢さんが、どこまでも「良い人」に描かれていて、それでも最後のネームが追い討ちをかける。
こんなあとがき、見たことない。ありがちな嘘っぽさがない。同業者として抱きがちな嫉妬とか、あざとさも隠さないのに、しっかり温かい。敬意というか親愛の情がある。正直に思っていることを描いているから、ねじれているし弱点をついているのに、まっすぐ届く。
力業なのに、軽やかで、清々しい。
きっちりした12コマ。
脱帽である、西原理恵子。
夕餉は、餅を入れた常夜鍋、ビール。食後にクッキー。
で、そんな漫画家にあとがきを描かせた愛が最後の最後に迫り上がるという。
絶句である。
(そんなことを描いたことさえ忘れていた西原は、後日談として「鉄板で酷いまんが」と告白しているところが、さらに面白い)