務めの果たし方

 

曇り。9度。

7時に起きる。

朝餉は、レタス・大豆・キュウリ・パプリカのサラダ、ハムと目玉焼き、肉じゃがの残り、味噌汁(サツマイモ・大根・れんこん・きゅうり・油揚げ・豆腐、ほうれん草)、トースト、リンゴ・バナナのヨーグルトがけ。食後にコーヒー。

妻は、クワイアの打ち合わせと稽古へ。夜に帰る。

Netflixが『The Crown』のシーズン4をリリースしている。前のシーズンに、主役がクレア・フォイからオリヴィア・コールマンに代わって、これがドラマの

トーンから華を消してしまった。それが続いている。

新顔としてサッチャー首相をジリアン・アンダーソンが、ダイアナ妃をエマ・コリンがそれぞれ演じている。どちらも好演だが、特に前者がいい。脚本の完成度は相変わらず高い。

昼餉は、チョコパイ、コーヒー。

サッチャーが、女王に閣僚の入れ替えについて語るシーンが印象的だ。首相の剛腕について、女王が指摘する。「無闇と敵を作るのは、賢いことではない」と。

その答えに、首相はチャールズ・マッケイの詩を引用する。

 

You have no enemies, you say?

Alas, my friend, the boast is poor,

For those who have mingled in the fray

Of duty, that the brave endure,

Must have made foes.

If you have none,

Small is the work that you have done.

You’ve hit no traitor on the hip, 

You’ve dashed no cup from perjured lip,

You’ve never set the wrong to right.

You’ve been a coward in the fight.

 

敵がいないというのは、自慢できることではない。

務めを果たさんと戦いに出る者は、必ず敵を作る。

君に敵がいないのは、戦おうとしなかったから。

一度も裏切られなかったのは、悪の企みを阻もうとしなかったから。

悪しき行いをただそうともせず、

戦いにおいて臆病だったということだ。

 

サッチャー首相は、この後、フォークランド紛争を陣頭に立って指揮する。

一人の夕餉は、肉じゃがの残り、ご飯。

そんな会話が二人にあったとは思えない。彼の国に横たわっている階級の意識が廃れることはないし、それを取って付けるほど二人はウブでも世間知らずでもない。

だが、この時の二人は階級のことを語っていたのではないと思う。

備わっている美徳の、表し方の違いに触れていたのだ。

 

f:id:Tosshy:20201203113420p:plain