先に立たないこと

 

晴れ。16度。

7時に起きる。

朝餉は、レタス・パプリカ・キュウリのサラダ、鶏ひき肉のミニハンバーグ、味噌汁(ジャガイモ・大根・人参・小松菜・油揚げ・豆腐)、ご飯。食後にコーヒー。

妻は、友人宅へ。さつまいものおすそ分けに預かりに。

高止まっていた大根も、ここへきてやっと求めやすくなった。大根を炊いていると、なぜ満たされていくのか。誰が、そんな思いをもたらしてくれているのだろう。鍋の中でカボチャとともに柔らかくなっていく、大根にはある種の啓示が宿っている。

時間ができたから、料理を始めた。

そのことに後悔している。やるべきだった、時間があろうがなかろうが。寸化を惜しんで、最優先して。毎日、やるのだった。心から思う。

昼餉は、抜き。

入院中の父を撮ったビデオを、改めてゆっくり観る。

姉の呼びかけに、父は答えようとしているような。

忘れかけた頃に見舞いに来る僕らとか、その社会的な背景のことを、なにひとつわからなかっただろう。父は落胆のうちに逝ったのだろうか。

そういう思いを抱きながら生涯を閉じる人が、この時期どれほどいるのだろう。胃瘻を断らず、なにはともあれ生き延びて、事態が落ち着いてから最終的な判断をするべきだったのか。

そんなことさえ、過ぎる。

どんな死をのぞんでいるのか。自分の思い描いていることが、近しい人の死に図らずも投影されてしまう。そんなふうに思えてならないのは、晩秋の夕暮れだからか。

父の目は、見たこともないような落胆の色を浮かべているようだ。

夕餉は、妻の買ってきた白身魚のフライと春巻き、きんぴら、大根・人参・厚揚げの煮物、味噌汁(カボチャ・大根・人参・小松菜・厚揚げ)、ご飯。食後に焙じ茶、チーズチップス。

 

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