その二人にご用心

 

晴れ。23度。午後より強い風。

7時に起きる。

朝餉は、ヨーグルト、サニーレタス・キャベツ・大根・竹輪・コーン・ツナのサラダ、トースト、ルイボスティー。

NHKの将棋と囲碁トーナメント。3月末に収録した対戦を放送しているのだが、対局者も棋譜読み上げの方々も、解説のお二人もマスクをしていない。撮り溜めたぶんは底を突きかけていると思う。来週も放映が予定されている。ありがたいやら、心配になるやら。

教育テレビの流れで、春風亭一朝の一席『妾馬』に付き合う。

これが良かった。噺は、五代目志ん生や三代目志ん朝の十八番だったとも。一朝の江戸語は切れがあって、喉が良いから余韻がさっぱりしている。

田舎出では真似のできない話芸だが、要するに、江戸っ子らしい気っ風を語れる噺家は、絶滅危惧種になりつつあることを教えられるとともに、根っこに庶民気質を宿していない噺家も、姿を消しつつあることを悟らされる。

昼餉は、菓子パン、ルイボスティー。

Howard Robertsのギタープレイを今頃になって知る。

アルバム『H. R. Is A Dirty Guitar Player』のプレイはどれもよくドライブする。ほかにも『Mr. Roberts Plays Guitar』とか『Good Pickin’s』といった’50年代から’60年代を中心にしたアルバムは白人ギタリスト特有の陽性のプレイヤーらしい音が印象的。

アルバム作りのたびに、さまざまなアイデアを試している。同じ白人ギタリストでも、バーニー・ケッセルのようにただただスイングすることを信条にするプレイヤーとは一味違う。

ビッグ・バンドでいうところのウディ・ハーマンとスタン・ケントンのような関係に近いかもしれない。バーニーは、この場合はウディで、ハワードはスタンだ。

余計な想像をしたい。

バーニーは、きっと迷わなかった。あれこれとは。

ただ、スイングしていれば、とことん愉しめた。まわりも愉しんでいた。だから、ずっとスイングして一生を終えた。

一方のハワードは、アイデアを試さずにはいられなかった。そうすることが、自分の務めだと思った。それに相応しい才能もある。自分でもわかっていた。だから、あれこれ迷いつつチャレンジをし続けた。それは愉しいことだったからだ。

二人のジャズマンにあった違いは、それくらいではなかっただろうか。二人は、ジャズを愉しんだのだ。

夕餉は、妻が餡を作った餃子、ご飯、ビール。

春風亭一朝とHoward Roberts。知らぬ存ぜぬでは、済まされない。深く、恥じ入る。

 

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