蔓延った、腐った根

 

降ったり止んだり、日差しあり。14度。

8時に起きる。

朝餉は、大根の皮のきんぴら、大根と厚揚げの煮物、味噌汁(人参・玉葱・ワカメ・ネギ・豆腐)、玄米ご飯。食後にカプチーノ。

昼餉はフレンチフライ、コーヒー。またもや、カップをひっくり返してしまう。新しいのを、と言ってくれる。固辞して店を後に。

アンジェリーナ・ジョリー監督の映画『不屈の男 アンブロークン(原題: Unbroken)』。

日本での公開をめぐって一悶着あった作品。第二次大戦中の日本における捕虜の扱いは、映画を見ずとも想像に難くない。国民を自爆攻撃に向かわせる。それは狂信者の行いだ。この国には、そういう根が深く広く張っている。僕らに自覚がなくなれば、この国は何度でも繰り返すと思う。公開中止を求めた日本人の署名がけっこうな数にのぼった、と当時は報じられた。どのような作品であれ、公開させないという行為の根っこにあるものは、狂信的である。

一方、ジョリーのメガホンは、極限の人間をどこまで描写できたのかわからない。捕虜もそうだが、日本兵がとくに物足りない。

捕虜収容所を生き抜いたアメリカ兵は実在の人物だ。

夕餉は、大根と厚揚げの煮物、パプリカ・ピーマンを添えたビーフ・ステーキ、味噌汁(人参・玉葱・ネギ・エノキ・豆腐)、玄米ご飯。

人質司法だ、とカルロス・ゴーンさんが記者会見で述べる。司直の権力が強大なこの国では、取り調べに弁護士が同席できない。その恐ろしさを、僕らは他人事だと思っている。僕らには、基本的な権利が許されていないのだ。自白すれば、すぐ釈放してやる――どれほどの冤罪が今もあることだろう。いつなんどき、職務質問されるかわからない。拒否すれば、どうなるか。ほんとに、他人事ではないのだ。

ゴーンさんは、この国をまともな司法のない国だと言っている。裁判することは拒んでいないのだ。