遅々でも、じわりと前へ

 

おおむね雨。9度。

8時に起きる。

朝餉は、女房が煮た小豆と、法事の丸餅でお汁粉の碗。食後にコーヒー。

義母の部屋のタンスを粗大ゴミに。その空きに、2階に眠っていたベンガラ色の和箪笥を据える。背面が朽ちかけているもう一棹の和箪笥はそのままに。2階には大きな洋箪笥とシングルベッドを残すのみとなった。コツコツやってきた女房に労いの声をかける。

昼餉は、サツマイモの天ぷらをのせた蕎麦。

女房の部屋の本棚、物置に眠っていた火鉢、応接セットのソファ1台も粗大ゴミとして出す。この家の歴史が少しずつ消えていき、そのぶん建て付けの老いが表に出てきた。くびきから解き放たれたようにも見える。

「一人ならできないのに、二人の力は偉大だね」

重くてでかい火鉢を運びながら、傍らの女房がそんなことを言う。

夕餉は、ポテトサラダ、小松菜と油揚げの煮浸し、大根と鶏ひき肉の餡かけ煮、味噌汁(人参・玉葱・カボチャ・ネギ・大根の葉・エノキ・豆腐)、玄米ご飯。食後に煎餅とお茶。

物置にいくつもある漬物や味噌入れの壺。小さめを選んで、南天の枝を投げ入れ、玄関の脇に置く。そこに舞い降りてきた鳥を模して、白と黄の水引を枝に纏わせたら、あらたまの気分になった。