浅い眠り

 

曇りのち雨。28度。

7時に起きる。

朝餉は、ホットケーキ、豆乳、紅茶。

女房が昼前に戻る。みやげは、本場の薩摩揚げ。女房がずっと懇意にしていただいている鹿児島のお医者さまがたまに上京される。お会いするたび頂戴するのが、得も言われぬ旨さなのだ。

僕はお医者さまにお会いしたことがないのに、女房が会ったと聞けば、ガス灯が灯るように薩摩揚げが頭にポッと浮かぶ。

昼餉は、女房が名古屋で買ってきた餡パン。マクドナルドのフレンチフライ、コーラ。

11キロをジョグ。家から持ってきてもらったAdizero Bostonを履く。ひと昔前のシューズは蛍光オレンジが眩しいくらい派手だ。こんなのを買ったかつての自分には二度と会いたくない。

夕方、貧血気味。小一時間ほど寝転がってもフラフラする。

女房が作った夕餉は、レタスと揚げの炒め物、薩摩揚げ、味噌汁(人参、カボチャ、キャベツ、とろろ)、キーマカレー。

ウィスキーの酔いが残っているうちに床に就く。今夜からタオルケットにしたら、肌寒くて夜半に目が覚めた。熱帯夜はもうじきなので、ありがたくふるえる。

’90年代から熱心に取り組まれたという佐野洋子さんの銅版画を観ている。大雑把なのに繊細で、この世を見ているようで、どこか見ていない。手元にも、3キロ先にも焦点が合っているようで、どちらにも合っていない。死を思いつつ、今夜のおかずのことを考えている。

きっとどちらでもない。

 

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