B-612について

 

おおむね、雨。22度。

7時に起きる。

朝餉は、バナナ、キャベツとレタス、キュウリ、大豆、パプリカのサラダ、ベーコンと目玉焼き、味噌汁(人参、キュウリ、アゴだし、エリンギ、カボチャ)、トースト、豆乳、紅茶。食後にコーヒー。

ワルター・クリーンのピアノでシューベルトのソナタ集を。16番のモデラートが流れると、なぜか笑い顔になる。

本が届く。サン=テグジュペリ著、内藤濯訳『星の王子さま』(オリジナル版、岩波書店)。

さてさて。ひょんなことから5冊目となった『星の王子さま』。意味がわかれば、オリジナル版とことわるまでもない。要するに、版元が使った挿絵の差異に依るものなのだ。その事情はオリジナル版の前書きに詳しい。

’41年からアメリカに亡命していた著者が最初にニューヨークの出版社から刊行できた初版(英語版とフランス語版があった)は、もちろんオリジナルの挿絵だった。3年後、フランスの版元が刊行した時点で挿絵は改変されていた。わかりやすいのは、望遠鏡を覗いているトルコの天文学者の絵。オリジナルでは望遠鏡の先に星が描かれているのに、フランス版では消えている。そうした箇所がフランス版に多々あることは、岩波の愛蔵版を見ればわかる。愛蔵版はフランス版から複版を起こしていることがうかがえるからだ。

フランス版の版元が原画を使えなかったことから、こういう悲劇が起きた。フランス版が刊行されたとき、著者はすでにこの世にいなかったことにすべては起因しているのかもしれない。

それはそれとして、この期に及んで翻訳本にミスがあることもわかった。池澤夏樹訳の単行本はもちろん原版の挿絵を使っているのだが、天文学者の絵から星が消えているのだ。僕が手に入れたのは19刷で、誰も気づいていないわけはない。レイアウトの問題は根深いので、わかっていても手を入れられないのかもしれない。

オリジナル版の前書きでわざわざ指摘されている部分が見過ごされてるかに見えるのは、池澤さんにとって耐え難いかもしれない。

女房は彦根へ。明日のよさこい祭りだかの準備を見物に。

昼餉は、女房の作り置きのチョコレートを何切れか。

オリジナル版を見て、最初に驚くのは横組みになっていること。原書に近づけようという意図を感じる。だからといって、読点をカンマにすることはないと思うのは僕だけではあるまい。句点もピリオドに統一している科学系の文章ならいざ知らず。

内藤さんの文はただでさえ読点が多用されているのだから。黒いカンマがいちいち目に止まって落ち着かないのだ。なぜ、そんなチグハグなことをしたのか(ピリオドの方は採用していないのに)知りたいものだ。

女房が作った夕餉は、高野豆腐の煮物、椎茸のひき肉挟み焼、豆腐の野菜餡かけ、納豆、味噌汁(人参、玉ねぎ、豆腐、エノキ)、玄米ご飯、赤ワイン。食後にコーヒーとクッキー。

内藤濯、池澤夏樹、河野真理子、倉橋由美子ときたので、もう少し探索しようと思う。

 

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