ライブの夜

 

雨。10度。春の嵐。

7時に起きる。

朝餉は、レタスとキュウリ、パプリカ、ハムのサラダ、リンゴ、味噌汁(大根、人参、カボチャ、豆腐、ネギ)、ホットケーキ、バナナジュース、コーヒー。

昼餉は、炒飯、コーヒー。

関東で雪が積もる。満開の桜がその重さで枝がたわんでいる。昨日の穏やかさがあの世のことのよう。

夕餉は、女房が作ったジャージャー麺、中華スープ。

食べ過ぎた昨日を反省して、軽く断食しようと言い交わしたのだが。

女房が誘ってくれて、一週間ほど断食したことを思い出した。空腹を抱えて暮す。ある地点を超えるとそれが快感になる。何事も、そんな快感が遠くで待っている。

ジャズのライブ盤はあまたあるけれど(すべてを聴いたわけでもないが)、これがいちばんと信じているのは『Jazz At the Santa Monica Civic '72』だ。ノーマン・グランツのジェントルなMCで始まるひと夜の夢。ライブを記録したものがあるとするなら、この夜のことは手に取るようだ。

カウント・ベイシー・オーケストラ、オスカー・ピーターソン・トリオ、J.A.T.P.オールスターズにはスタン・ゲッツやロイ・エルドリッジ、ハリー・エディソン、フレディ・グリーンといった面々が顔を揃えている。こんな一夜があったのだ。分けても、カウント・ベイシーをバックにエラ・フィッツジェラルドが歌うShiny Stockingsほど素敵なチューンはない。

あるライブで(それはギタートリオだったと思う)、何かリクエストをと聞かれて僕はShiny Stockingsと言った。ギター弾きなら、カウント・ベイシーのこのチューンを知らぬはずはないと思ったのだ。

彼は、OKと言った。そしてニヤリと笑ってくれたものだ。

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