鋳掛屋、仕立て屋、軍人

 

曇りときどきぱらつく。12度。

8時に起きる。

朝餉は、トースト、ミルク、白湯。

昼餉は、抜き。

女房が帰ってくる。チョコレートをもらう。

 

これが第一弾だからね。

 

同じようなことを毎年言われるが、せいぜい第二弾止まりだ。

本を求める。アイザック・ウォルトン著、飯田操訳『完訳 釣魚大全 I』。言わずと知れた名著。釣り人のための本であるのはもちろんのこと、対象はそれだけにとどまらない。川釣りを通して人生を見つめているものの、一周して釣りの洞察が深まるという奥行きを持っている。ウォルトンは17世紀の伝記作家だが、その眼差しが今も僕らを魅了し続けるのは、多くの実践家の範となるものだからだ。イギリス経験論の鉱脈が本書にも読み取れる。

各章は複数人の談話という形式で綴られている。冒頭の章で言えば、釣り師(Piscator)、狩猟家(Venator)、鷹師(Auceps)が登場するが、もちろん釣り師の語りが中心になっている。こういう鼎談とか対談による語りは、英国の当時の書物における手法であろう。飛躍に過ぎるが、ジョン・ル・カレの小説の題名『Tinker Tailor Solder Spy』も巨視的に見ればその流れを汲んでいると思うのは僕の邪推でしかない。

平凡社版は、初版から五版までの原著にあたっている労作で、翻訳者と版元の矜持を感じる。

夕餉は、ポテトサラダ、鳥の唐揚げ、肉団子の常夜鍋、玄米ご飯、赤ワイン、白湯。食後にコーヒーとチョコレート。

暖かさも今日まで。

 

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