妖精の舌打ち

 

 

 

 

 

雨。22度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、コーヒー。

 

 

昼餉は、とうもろこし、ポテトサラダを挟んだ米粉ロールパン、豆乳。

妻は、コロナワクチンの1回目を接種しに駅近くの病院へ。

美容院へ。刈り上げて、梳いてもらう。

 

オードリー・ヘップバーンのサブリナカットでお願いします。

 

——言ってみたい……

詰まるところ、僕が頼んでいるカットを一言で言いあらわすなら、そういうことだから。

なぜか、美容師は気づかない。いや、彼女や彼らは、気づかないよう努めている。

カットが終わって、鏡に映る客の風情を観察してみたまえ。そこに映っているのは、まごうことなきあの妖精ではないか。

舌打ちしたくなる、若干の忸怩とともに、僕は店を出る。

夕餉は、冷奴、焼きそば、とうもろこし、チューハイ、冷たいほうじ茶。

車椅子テニスの女子の決勝を見る。3位決定戦がフルセットの戦いになって、決勝は9時過ぎの開始。

「あれは、グラフだね」

妻は、対戦が始まってすぐ、そう言った。

世界ランク2位の上地結衣さんの相手、D・デ フロートのことを’80年代を席巻した女王になぞらえた。

フロートは、ゴールデンスラムを目前にして戦っている。

妻はそのことを知らない。彼女の佇まいにシュテフィ・グラフを重ねたのは、偶然の一致ではあるまい。

 

 

 

 

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牢獄と気流

 

 

 

 

 

雨。21度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、コーヒー。

涼しいというより肌寒い空気が流れ込む。

部屋の隅っこに隠れていた暑気が、居場所を失っていく。

近所のどこかで削岩機を動かすような音。終日鳴り響いて、なにも手につかず。

昼餉は、お茶漬け味のオートミール、リンゴジャムをはさんだ米粉のロールパン、ナス・トマト・ウインナーソーセージのスパゲッティ・ナポリタン、ほうじ茶、コーヒー。

体という牢獄につながれている——たまに、そんなことを意識する。

僕らの背中についている翼はとても大きくて、とても軽い。ちょっと動かすだけで、体は重力をあざ笑うかのようにふわりと浮く。

翼の付け根が、体のどこにもつながっていないように感じる。

いったん浮いたら、どこまでも上昇して気付けば雲の上に出ている。かたわらをものすごい勢いで流れているのは、世界を覆っているジェット気流だろうか。

それに身を任せて、世界を何周かしてみる。

半透明の球体があっちこっちに見える。おなじようにして気流に身を任せているヒトたちの核だろうか。体を持たないことが、僕らに平穏をもたらしている。

そうやって小一時間も浮かんでいると、もとへ戻ることの煩わしささえどこかへ消えている。

夕餉は、冷奴、トマト・キュウリ・ポテトサラダ、麻婆茄子、味噌汁(玉葱・人参・豆腐・油揚げ・ネギ)、ご飯、チューハイ、冷たいほうじ茶。

 

 

 

 

 

 

 

顔と声

 

 

 

 

 

 

曇り、のち小雨。21度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、アイスコーヒー。

気温が朝から夜まで変わらない。流れ込んでいる冷たい空気は、モンゴル平原を吹き渡る風の匂いがする。

東欧から来ているパラリンピック選手たちの顔に見入る。

シッティングバレーボール男子のボスニア・ヘルツェゴビナとか、卓球女子のポーランドとか。彼らや彼女たちは、滅多なことでは声をあげないし、笑わない。

ボスニア・ヘルツェゴビナの男たちは、どこか疲れている。うんざりしているようにも見える。この世は一筋縄じゃいかない。なのに、なぜ天真爛漫な笑顔や声をあげているんだろう?

この国の選手たちを黙って見ている。そして、チームのおなじような顔の男たちに目を配る。わずかに口を動かす——いいんだ、いいんだ、このままで——そう言っているように見える。

1点ごとに声を張り上げながら笑顔を絶やさない男たちを相手に、寡黙な男たちは完勝する。どちらが負けたのか、これではわからない。

ポーランドの女たちも、同じだ。目の前で笑っているこの国の女たちを静かに見ている。

そして静かに勝つ。

最後まで声を張らない。互いの健闘を称え合うタッチの瞬間に少し表情を崩して見せる——あなたたちは頑張ったね——と、そんなふうにいたわっている。

この2つの国の来し方を思う。一筋縄ではいかなかった荒波の歴史やら、それでも生き抜いてきた彼ら彼女らの奥底に生きているものを思う。

感動だの絆だのといった浮ついた言葉で糊塗しない。ありのままをさらす。そのままでのぞむ。昔、この国の女や男も、そんな顔をしていた気がする。

昼餉は、バナナ、チーズ・トマト・オリーブオイルを挟んだ米粉のロールパン、とうもろこし、コーヒー。

笑顔を作って、声で鼓舞して、それを互いにやり合って、でも状況は刻々と悪くなっていく。最後まで、その声と笑顔を作り続けて、舞台の裏で悔し涙にくれるというのか。

なぜ、本来の姿をさらせないのか。いつから、そんなことになったのか。

ほんらいの顔は、声は、ひとりぽっちになってから取り戻すのか。そして、それでも頑張ったのだから、と己を慰めるのか。

いつから、そんな遠回りをしなければいけない国になってしまったのか。

いつから、そんな虚構の舞台を作ってまで生きなければいけないことになってしまったのか。

夕餉は、冷奴、納豆、ポテトサラダ、鳥ササミのレモンバジルソテー、味噌汁(ナス・豆腐・油揚げ・ネギ)、ご飯、チューハイ、冷たいほうじ茶。

Appleは、iOS 15iPad OS 15のパブリックベータ・プログラムを更新してβ8をリリースした。

 

 

 

 

 

 

メシアンのミサ曲

 

 

 

 

 

曇り、のち雨。30度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、コーヒー。

妻はバイクを漕いで健康福祉センターへ。健康診断と婦人科検診。雨の合間を縫って午後に戻る。

一人の昼餉は、バナナ、シリアル、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、ミルク、アイスコーヒー。

数日前のことだが、NHKの8年前のドキュメンタリー『我がこころの旅』、作曲家・加古隆さんの回を再放送で観た。この番組は若かりし日々を追う甘酸っぱい内容なのだが、加古隆さんはパリのコンセルバトワール留学時代の日々を辿った。留学中にフリージャズのピアニストとしてデビューすることになった彼は、師事していた現代音楽の巨匠・メシアンの授業を欠席しがちになる。

僕の記憶にずっと刻まれていたのは、そのメシアンが作曲したミサ曲だった。メシアンは毎週欠かさず、教会でオルガンを演奏していたのだ。時には即興でミサ曲を奏でることもあったという。

加古さんは、メシアンが死の直前まで通っていた教会で、今のオルガン奏者に会う。その前後の詳しい様子はすっかり忘れていたけれど、オルガン奏者が加古さんのためにミサで奏でたメシアンの曲は、とても鮮烈で色彩的で8年前の僕はすっかりまいってしまったのだ。

爾来、折に触れて探したのだが、アルバムは見つからなかった。ほんの数秒しか映っていないのに、ミサ曲は湧き上がるように迫ってくる。

同時に、加古さんの顔が輝いていく瞬間を、レンズは追っていた。

あのミサ曲は、メシアンが即興のようにして作ったのを彼が採譜して教会に遺しておいたものではなかろうか。CDを探しても見つからなかったわけは、そんな背景にありそうだ。

なんとか卒業が叶った加古さんは、良き生徒とは言えなかったことをメシアンに謝るのだ。ところがメシアンは、即興の重要性を説いて、加古さんを力づけたという。それが、のちの加古さんをどれほど支えたか、想像に難くない。

メシアンのミサ曲は、加古さんを祝福するかのように教会に鳴り響いていた。

新たな決意を得たことを、旅の終わりに加古さんはさらりと話す。それを詳らかにするのは、日本に帰って実際に行動に移すことで明らかになるでしょうと。

加古さんは、メシアンという作曲家の湧き上がるような躍動とか色彩に包まれた。ガツンとやられたのだ。そちらの出会いこそ、実は旅の本質なのだった。

僕の記憶に残っていたのはもちろんミサ曲だったのだが、より深く刻まれていたのは、今を生きる作曲家が教会で受けた啓示の瞬間を見た、ということだったのではあるまいか。

夕餉は、トマト・パプリカ・レタスのサラダ、冷奴、麻婆茄子、味噌汁(玉葱・人参・油揚げ・豆腐・ネギ・小松菜)、ご飯、冷たいほうじ茶、ウイスキーオンザロック。食後にとうもろこし。

今月の総括をば。アクティビティは2日、総距離は11.56キロメートル。スクワット80回はほぼ毎日。

 

 

 

 

 

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最後の猛暑日?

 

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。35度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、コーヒー。

札幌からとうもろこしが届く。姉に礼の電話。母は寝たり起きたり。食欲はそこそこ、と。

妻の自転車でバイクシップへ。タイヤのヘソのゴムを交換してもらうつもりだったが、チューブとタイヤも寿命が尽きていた。ついでにブレーキパッドも交換。

昼餉は、蜂蜜をかけたヨーグルト・バナナ・キウイ、シリアル、レタス・トマト・チーズ・オリーブオイル・クレイジーソルトを挟んだ全粒粉パン、とうもろこし、ミルク、コーヒー。

妻はバイクを漕いで眼科医へ。経過は順調とのこと。

妻が涼んでいるショッピングモールへ買い物に。アイスクリームを食す。

夕餉は、納豆、冷奴、夏野菜とソーセージのオイスターソース炒め、味噌汁(玉葱・人参・油揚げ・豆腐・小松菜)、ご飯、冷たいほうじ茶、とうもろこし。食後に、コーヒー、梅園の夫婦栗。

2人して映画。岩井俊二監督『ラストレター』。

「ああ、やっぱり!」と妻。

豊川悦司が出てきたときに声をあげる。そんな予感がしていたと。

松たか子は、いい女優になりつつある。演技過多の俳優にあって、それを感じさせない。晩年の樹木希林でさえ、演技過少という姿を演じすぎるという紛らわしさを抱えていた。

日本の演技過多は、演出側の分けても脚本に根のあるような気がする。日本人は、滅多なことでは喜怒哀楽をおもてに出さないものだ。

 

 

 

 

 

 

買い物袋1つで帰ってきた

 

 

 

 

 

曇り。32度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶。

左の目頭が腫れている。大量の目薬。

妻は朝の電車に乗った。名古屋を経由して中央本線を東京へ。青春18切符の一人旅。

中津川で出くわした豪雨災害のバス代替をのぞけば、ずっとのんびりしていて、車中も空いていたと。送られてきた写真には、晩夏の雲に頂を覆われた八ヶ岳。

昼餉は、キウイ、バナナ、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、アイスコーヒー。

甲子園の決勝は、奈良と和歌山の智弁による兄弟校対決。ユニフォームが同じ2校を見分けるのは左袖の県名と、野球帽の意匠くらい。近江高校を下した智弁和歌山が優勝。イチローが生徒たちの特別コーチだったとか。強いのも、宜なるかな。

夕餉は、冷奴、ウインナーソーセージ・目玉焼き、ご飯、冷たいほうじ茶、ウイスキーオンザロック。

7時過ぎ、妻が帰宅。遅い夕食は、冷奴、朴葉寿し、お茶、コーヒー。

お土産は、中津川の老舗・梅園の夫婦栗。大きな栗が2つ入った片手ほどもある饅頭。

妻は疲れた様子も見せず、寿司を頬張りながら道中の話をあれこれと。

 

 

 

 

 

残暑の汗

 

 

 

 

 

おおむね晴れ。35度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、アイスコーヒー。

昼餉は、干しブドウ、バナナ、シリアル、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、アイスコーヒー。

夕餉は、塩ラーメン、山菜おにぎり・梅おにぎり、冷たいほうじ茶、ウイスキーオンザロック。

近江高校がベスト4で敗退。

猛暑日とともに、今夏が終わっていく。

 

 

 

 

 

 

狂わん!

 

 

 

 

晴れ、のち曇り。34度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、アイスコーヒー。

一昨日あたりから、パラリンピックが始まっている。

競技は、障害の度合いによってクラス分けされている。なかには、いきなり決勝という競技もあれば、10人で世界一を競ったり、エントリーが1人もいないクラスさえある。

全盲の100メートル走では伴走者が認められているものの、多くは1人で走っている。全速力で闇の中を走るのだ。

昼餉は、干し葡萄、シリアル、りんごジャムを塗った全粒粉パン、コーヒー。

妻の撮った写真に、フヨウの花に集まるミツバチが映っている。まるで狂ったかのように、花粉にまみれている。

どんな気分なのだろう。

夕餉は、トマト・キュウリ・マヨネーズ・オリーブオイル・クレイジーソルトのサラダ、冷奴、夏野菜のチャーハン、冷たいほうじ茶。

妻とビデオ会話。

 

 

 

 

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その瞬間が……

 

 

 

 

 

晴れたり、曇ったり。34度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶。コーヒー。

そうそう、そんな感じだ——

と、何かに対面するたび思っている。たぶん、自分でも気づかないままやっている。

月を見上げて、雲間に見え隠れしているときの月の見えなさ加減に、そう思う。

ちょっと古いクルマの塗装が剥げかかっていて、持ち主の物悲しさが、ヌメっとこちらに入り込んでくる、とそう思う。

Spotifyが今日のおすすめです、と選んでくれた音楽にふっと気づいて、どうしたわけか騙されたような気になる、とそう思う。

淹れたてのコーヒーが、少し時間が経って、思ってもみなかったところへ出かけて、また帰ってきたような味になっている、そんな頃合いに、そう思う。

襟口が伸びきってしまって、そのだらしなさより、着心地の良さに混じるのがふしだらさなのだわかる、とそう思う。

そんな、言葉にしてみてもあまり伝わらない、ズレや綻びや凹みに出会うのは、なぜなのだろう。

昼餉は、干し葡萄、シリアル、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、ミルク、コーヒー。

彦根の近江高校がサヨナラ勝ち。インタビューで監督が嗚咽を呑み込む。県大会の前、負け癖のついた3年生たちを前にして、やり切れない不甲斐なさから「ユニフォームを脱いでくれ」と申し渡したとき、3年生のキャプテンが、監督と生徒のあいだを取り持って繋ぎ合わせてくれた。

試合前に後攻めを選び取り、最後のバッターとなっては右中間にヒットを打ったその3年生の名前を口にして、監督は涙を堪えた。いつの間にか、生徒たちの方が先を走っていた。そのことに気づいた瞬間だった。

夕餉は、トマト・キュウリのサラダ、冷奴、ソーセージ・目玉焼き、ご飯、冷たいほうじ茶、ウイスキーオンザロック。

妻とビデオ会話。

大きなあくびをしたと思ったら、船を漕いでいる妻。

 

 

 

 

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さもなくば、省察を

 

 

 

 

 

曇り、ときどきパラつく。29度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、アイスコーヒー。

こんな毎日にも流行り廃りがあって、ほんの4年前だというのに、その日記には別人のような日々が綴られている。

そもそも食い物が違う。そんなものを、なぜ毎日のように、と首をひねるような。

あまり適応性のない絶滅危惧種のような生き物をガラス越しに覗き込んでいる気持ちになる。

4年前の日記には、どこか長閑な空気が流れている。そこには、吹き荒れる病原体の影がない。

昼餉は、干し葡萄、シリアル、りんごジャムを塗った全粒粉パン、ミルク、コーヒー。

米軍が撤退しつつあるアフガニスタンをタリバンが掌握した。彼らの広報官がインタビューに答えている。

自衛隊が来たとしても、すぐ帰ってほしい。だが、それ以外の日本人は歓迎する。

その物言いは、お前たちは人質以上でも以下でもない、と言っているように聞こえる。

僕らの異質性は、世界のどこへ行っても明白だ。僕らが意識しているのは、ほんの一部分で、異質性の全貌を把握している他国の人々は、いかに異質かということを決して詳らかにはしない。

そんなお節介を焼いても、僕らがどうにかなるとは思っていないし、どうにかしたいとも思っていない。眼中にない。

「僕らは、異質性を抱えている」

と書かれた紙を目の前において、文章をじっと眺める。自分たちを認識するのは、その程度の行いでしかない。

夕餉は、冷奴、夏野菜とウインナーソーセージの中華炒め、ざる蕎麦、ウイスキーオンザロック、冷たいほうじ茶。

妻とビデオ会話。つれづれなるままに話し込む。

 

 

 

 

 

 

同じモノを

 

 

 

 

 

曇り、のち雨。30度。

6時に起きる。

ほうじ茶、アイスコーヒー。

本を求める。サン=テグジュペリ著、堀口大學訳『人間の土地(原題:Terre des Hommes)』(新潮文庫)。もう1冊は米原の妻の実家にあって、山崎庸一郎訳は背後の本棚にあるというのに。表紙には、宮崎駿の絵。

昼餉は、大豆シリアル、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、ミルク、コーヒー。

注文したフライパンが届く。米原の台所で使っているブルーテンパー鉄と同じ。寸法まで24センチだった。26センチを使っていると思っていた。

夕餉は、ウイスキーオンザロック、フライドチキン、赤飯のおにぎり。鉄のフライパンで野菜とソーセージの中華炒め、冷たいほうじ茶。

野菜にちゃんと焦げがつく。まともな炒め物がこんな男でも作れるのは、ちゃんと作られた鉄のフライパンのおかげ。

妻とビデオ会話。2時間以上も話していて、MacBook Airのバッテリーがプツンと切れて終わった。

 

 

 

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コツコツと

 

 

 

 

 

曇り、ときどき雨。29度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、コーヒー。

ズッキーニもナスもトマトも、長雨で倍くらいの値札に。処暑だというが、今年は猛暑日が数えるほどしかない。妻が米の作柄を口にする。

昼餉は、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、シリアル、ミルク。

使い古しのフライパンを廃棄。妻専用のフッ素コートの軽いフライパンは1枚を残すだけになった。

鉄のフライパンは手入れが面倒だが……というのは大袈裟である。どんなフライパンでも多少はする。鉄のフライパンをことさらに言うのは、長く使ったことのない人の物言いだ。

夕餉は、トマト・キュウリのサラダ、冷奴、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、冷たいほうじ茶、アイスコーヒー。

妻とビデオ会話。桐蔭に勝った近江のことなどを。

うさぎと亀みたいだったね、と妻。

 

 

 

 

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番狂わせ

 

 

 

 

 

曇り、ときどき日差し。31度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、コーヒー。

NHKの囲碁のトーナメント。呉柏毅5段が芝野虎丸王座に中押し勝ち。

昼餉は、レタス・トマト・チーズ・リンゴジャム・マヨネーズ・クレイジーソルト・オリーブオイルを挟んだ全粒粉パン、ミルク、アイスコーヒー。

夕餉は、トマト・キュウリのサラダ、冷奴、ズッキーニ・ナス・パプリカ・レタス・ソーセージのスパゲッティ・ナポリタン、冷たいほうじ茶。

 

 

 

 

 

脳の暴走

 

 

 

 

 

曇り、ときどき雨。28度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶、アイスコーヒー。

16時間の断食を続けている。血圧が下がっている因果関係はわからないけれど、小食が体に及ぼす効果は明らかだ。

200万年以上もの間、僕らは空腹と背中合わせだった。体の組成は、空腹を前提に作られてきた。その状態を意図して作らなければいけないのは皮肉だが、本来、食事は簡単に摂ってはいけないものなのだ。

今の農業や牧畜は狂っている。狂気を前提にした食事。捨てられる食べ物。

食は、この世でもっとも狂っている。

そのことを、16時間に強く感じるようになった。空腹が、狂気への抵抗を支えてくれる。

昼餉は、リンゴジャムを塗った全粒粉パン、ミルク、アイスコーヒー。

プロ野球の選手を見ていると、その体型がおかしくなっていると気づく。昔はみんな細かった。固太りになったのは、いつ頃からだろう。余分な筋肉をつけないように努めている選手は希少になってしまった。

夕餉は、トマト・キュウリのサラダ、冷奴、夏野菜とソーセージのオイスターソース炒め、ざる蕎麦、冷たいほうじ茶。

妻とビデオ電話。土地相続をめぐる義姉とのあれこれ。こちらは聞き役。

100年単位で見ると、咀嚼する時間が半分以下になってはいまいか。量を摂ろうとして、おろそかにしてきたこと。咀嚼が20分を超えると満腹中枢が働く。それ以上の時間をかけて食べることが、理に叶っているという証左だ。

僕らは、狂った食を前提にした暮らしを築いてきた。

 

 

 

 

 

 

悪役にもなれず

 

 

 

 

晴れ、33度。

6時に起きる。

冷たいほうじ茶。コーヒー。

法改正してでも都市封鎖をすべき、何人かの知事が政府に提起している。彼らには、公表されている感染者数の数倍が感染しているという危惧がある。

大規模なPCR検査ができていないことを、彼らは棚にあげている。血相を変える時期はもっと前にあった。

昼餉は、チーズ・トマト・レタス・マヨネーズ・オリーブオイル・リンゴジャム・クレイジーソルトを挟んだ全粒粉パン、ミルク。

夕餉は、冷奴、チャーハン、冷たいほうじ茶。

妻とビデオ会話。都市封鎖されたらどうしよう、といった話なんかを。